2025/02/03
精神科医として、うつ病とどう違うのだろうか・・・
結論から。
バーンアウトが進行すると、うつ病へと移行する可能性がある。
このように考える医師もいます。
例えば、初期バーンアウトでは「仕事に対する無気力・疲労感」が生じますが、それらを長期間放置すると「うつ病の典型的な症状(憂うつ気分、意欲低下、無価値観、絶望感、自殺念慮など)」が現れてくるでしょう。
Schaufeli & Enzmann(1998)の研究では、重症バーンアウトの30~50%が最終的にうつ病と診断されると報告されています。
バーンアウト定義:
職業関連の慢性的なストレスの結果として生じる心理的・身体的な疲弊状態。
2019年、WHOのICD-11(国際疾病分類第11版)では、バーンアウトは「職業現象(Occupational Phenomenon)」として分類されました。
バーンアウトは「精神疾患ではなく、仕事に起因する特定の状態や健康問題」として記載されています。
主に3つの要素で構成される(Maslach et al., 1981):
・情緒的消耗(Emotional Exhaustion) – 精神的・身体的な疲労感
・脱人格化(Depersonalization) – 対人関係の冷淡さ、共感の欠如
・個人的達成感の低下(Reduced Personal Accomplishment) – 仕事への有能感の低下
これらが生じる主な原因として、「仕事に関与していることが前提となる」とされています。
どれも私は経験しています。
どれも社会人として、さまざまなステージで経験しました。
「モロにあてはまっているなぁ」と改めて思いました。
「バーンアウトだから時間が経てば大丈夫」と軽視せず、早期対応が望ましいでしょう。医師の悪いクセは「ひとまず経過観察しておきましょう」と様子を見ることです。
「職業、職業、職業関連」と言われ続けるとビジネスパーソンのみなさまも看過できない話題でしょう。
バーンアウトを予防するためには、自分のストレスサインを把握し、ワークライフバランスを保ちつつ、適切な休息をはさみ、周囲からのサポートを得ることが大事でしょう。
・自分のストレスサインを把握する
・完璧主義を手放す
・仕事の負担を調整する
・ワークライフバランスを意識する
・睡眠と休息を優先する
・「つながらない時間」を主体的に作る
・周囲にサポートを求める、SOSを出す
・適度な運動を取り入れる
・仕事のやりがいを再認識するように努め、現在地を確認する
・「NO」と言う勇気を持つ
燃え尽き症候群が進行し、慢性的なストレスが心身をむしばむと・・・以下のような疾患のリスクが高まります。
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