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コラム

2025/03/06

ギャンブル依存の記事を読んで

埼玉新聞の元記事を見る/

https://www.saitama-np.co.jp/articles/126122/postDetail(前編)

https://www.saitama-np.co.jp/articles/126292/postDetail(後編)

ギャンブル依存。

私にはゲームにハマりすぎることで様々な支障をきたすゲーム障害(WHOが精神疾患として認定してまだ5年足らず、ゲーミングディスオーダー)と近縁に思えます。

私自身はファミコン〜初代プレステ世代なのでon-lineゲームには明るくないのですが、ゲームの延長にカジノがある、といった報道を観聞きする度にやはり両者は近縁なのだろうかと想像します。

#ギャンブル依存 #ゲーム依存 #依存症

アルコールや違法薬物といった目に見える「物質依存」との違いが、きっとギャンブルにもゲームにも存在するのでしょう。


「アルコール依存は病気だ」という認識は、自助会AAの70年以上の歴史をみたり、啓蒙活動の盛んな薬物依存をみてもわかりやすいでしょう。
しかし、ギャンブル依存は1980年代に脚光を浴びた過去があっても、社会が病気と認識しなかった歴史があります。社会構造として様々な利害が各所で絡んだことも要因となったと推察します。

on-lineは、たとえ家族と同居していたとしても、飲酒・ドラッグとは異なり、周囲の目を盗んで繋がってしまいます。
スマートフォンの普及が相まってアクセスは異常に容易です。最も身近にあるものが脅威となるのです。
経済苦や借金など明確に実生活で実害が出たとしても、本人も家族も「これが病気である」とはわからないことが多いでしょう。


「もう(ギャンブルは)やめたよ」と言われた家族が、当事者から嘘をつかれていたと判明した時ほど悲しいシチュエーションがあるでしょうか。怒りや憎しみ、落胆、あきれ、不信感。
そうなると家族理解は薄いまま得られず、「怠け者」「意志が弱い」「気合いが足りない」などといきつく。その先には「人格否定」が始まりやすいのも事実でしょう。依存症に典型的な負の連鎖です。
そもそもギャンブルは脳の報酬系がバグり、「当たり」の際にドパミンがドバドバ状態になるわけで、刹那的な快楽を求め続けることに繋がります。依存症診断がつけば明確に病気とされ、診断がなされていないだけでずっと「自分はダメなやつだ」「でもやめられない」という数多の人びとが世の中に潜伏していることでしょう。

実体験

私も学生時代パチンコ依存でした。

2回目の医学部に合格する年度は1年間「自宅→予備校→パチンコ→自宅」という行動ループでした。
幸い大阪の緑地公園から兵庫の西宮の途中でお店に行くことはなく、常に自宅近くの西宮で閉店までパチンコでした。たまたま色んな要素がうまく作用して、有限だった「帰宅後の寝るまでの時間、往復の電車内の時間」をうまく活用でき、過集中して勉強できていたので学力は全く落ちませんでした。
しかしあの刹那的な快楽のため、常にお店に通っているその行動そのものが我ながら異常だよなぁと当時感じていました。否認の病気ですが、当時完全に自覚していました。「自宅→予備校→パチンコ→自宅」という単調さに、パチンコ体験から日々感じる一喜一憂が”たまたま”妙なスパイスとして働き、単調な再受験生活を”たまたま”彩ってくれただけです。

不合格になっていれば我が家ももれなく機能不全だったことでしょう。

負のスパイラル

依存症全般に言えることですが、家族関係には亀裂や破綻が待っていることが多く、機能不全家族の家庭の多くは「こどもたちの精神状態」にも暗い影をおとします。
報酬系がバグっており、温厚だった彼・彼女、父・母が衝動的となりやすく、感情コントロールがままならず別人のように暴力をふるってしまうことも多いです。


家族の恥部をみられたくない心理。そして引き返せないところまできていたとしても、救いのアクセス先がアルコール・違法薬物系とあh違って極端に少ない。孤独、社会的孤立。借金。とりたて、犯罪への入り口など。
ゲームに関して言うとペアレンタルコントロールの徹底不足。ゲームそのものを悪者にはしたくはないのです。


そして、治療法が未だ確立されていないという事実です。まだ研究のN数も揃っていないのではないでしょうか。国立精神(NCNP)や久里浜が現在、そして今後がんばってくれるのでしょうか。専門外来の敷居もまだまだ高いよなぁと日々感じています。

最後に

社会全体が「ギャンブル依存は病気である」と理解し、医療機関や数として非常に少ないGA(ギャンブルアノニマス)につなげていくことで当事者・その家族だけの抱え込みを防ぐ必要があるのではないでしょうか?

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